毎回思うけど、このサークルさん、キャッチコピーが爆裂に印象的だよね。センスが超好き。

 

 

タイトル:慰愛の詩

サークル:サキュレント

 

 

今回の感想記事は、久し振りにゲームについてです!

 

 

ほんっとうに血の気の多い人間で申し訳ないんですが、自分、まじ一発令二を殴りたいんだけどいいっすか?(急~~~~)

 

さて、今回はサークル・サキュレント様の第一作である「慰愛の詩」をプレイしました。

メッチャ感想書きたい感じの作品だったので感想書いてますなう!

プレイ時間は公式によると、1,2時間ほどだそうです。1日で全てプレイが完了するのゲームが好きな私にはとても向いていました。(ノベルゲームはすごく考え込みながらじっくり読んでしまうので、いつも公式のプレイ目安時間の2倍くらいかかる人)

 

内容について色々言いたいけど、収拾がつかなくなりそうなので、先にデザイン面、音楽面のお話をさせてください。

 

デザインめっちゃ好き~~~! 何を隠そう私は、ジャケットイラストの美しさとキャッチコピーの引きの強さにやられました。

ジャケットイラストはもちろんなんですが、ゲームの設定画面の背景とかもすごく可愛くて好きなんです。シンプルなのに雰囲気あるカラーリングが印象的!

あと作中BGMが全てピアノ曲なんですが、どの曲もとってもロマンチックで、作品の雰囲気にすごく合っていました。

デザイン面と音楽面の儚さと綺麗さが際立っていて、作品を美しく彩っていました!

 

それでは内容の感想に移ります。

 

 

そもそも私は、先ほども言った通り「BLに割り込む女」という強すぎるキャッチコピーにやられてこのゲームに興味を持ったのですが、このキャッチコピーは伊達じゃなかったです。

まあ、正確に言うと、割り込んだというよりも「気付いたらBLに巻き込まれた女」(?)という感じなんですが……

 

この作品は、よくネットでネタにされるような「BLに割り込む鬱陶しい邪魔な女」では決してありません。また「良いBL展開だったのに、そこに女が入り込んだせいでめちゃくちゃにな」、みたいなBLクラッシャー?的な描かれ方もされておりません。

女性が簡単に割り込めない、男性同士の気の置けない深い関係ってあるじゃないですか。ああいうものを目の前でまざまざと見せつけられてる感じです。いやそれ以上かなぁ……

そんな二人を目の前にして、複雑な思いをする主人公ちさ子ちゃんの気持ちが突き刺さってくるお話です。

ここら辺のシーンから、サークルさんが女性向けに拘った理由をよく理解しました。

もちろん男性がプレイしてもとても楽しめる作品ではありますが、男性同士の関係を、歯がゆい思いで見つめる……というこの心情は、恐らく男性よりも女性が共感しやすい感情だろうと思われるからです。

 

例え、自分の彼氏に仲の良い男友達が居たとしても、

「いやでも! ゆうてこっちは彼女だから!? ただの友人とは違いますから!?」

っていう絶対的な自信を、普通のカップルの彼女さんは持つことが出来ると思うんですよ。

そして主人公のちさちゃんも最初は「いやでも私は彼女だから……」という風に自分を奮い立たせてた訳なんですが、その後の令二の行動により、元々ほとんどなかった自信が更に崩れ去っていきます。

 

なんか……そのれい兄の行動がすごく残酷なんですよね。詳しくはネタバレゾーンで話します。

一切のカーブ無しで、直球にちさちゃんの心をぶっ刺しに来ているんですよ……

あまりに残酷な男過ぎて、ちさちゃんが可哀相でかなり泣きそうになりました。

でもちさちゃんは、彼のことが好きで仕方ないから、離れることも出来ない。だからこそつらさが無限ループしてしまうんですよ……辛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレゾーンになります。

ネタバレを含めて、私が思ったことを述べています。

すごく乱暴なことを言っているので、作品の儚い雰囲気に浸りたい方、作品が好きな方には読むことをオススメしません。簡単に言うと「令二まじ殴っていいか?」的なことを延々と繰り返しています。令二まじ殴っていい?

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よっしゃ! ここなら言いたい放題だ!!!

 

各キャラクターについて思ったことを順番に書きます。

 

 

・ちさちゃんについて。

 

シンプルに可哀相。

れい兄に振り回されて、振り回されて、どんどん傷ついていっている彼女が可哀相。

なのでゲームをプレイしている時、プレイを追えた後は、令二さんを殴りたいという感情に苛まれました。

 

ちさちゃんはね、令二に再会するまでは、平凡だけど満足な日常を送っていたんです。なんならそれは私の理想の生活だった。

仕事は別に苦じゃなくて、帰ったら好きな漫画に囲まれて、生活にストレスがなくて、夢中になれる好きなものがあって、好きな物を好きなだけ享受できる環境にいる……そんな彼女の世界津は、私的にすごく理想なんですよ。

なのに、そんな満足な日常が、令二の登場によって一変してしまうんです。

 

ちさちゃんを振り回しまくる彼の事なんて放って、早く引っ越して新しい人生を始めれば、彼女は幸せになれるんじゃないか?と何度も思ったんですが、それは無理なんですよね。彼女、れい兄にベタ惚れだから。だから離れられない。

離れられないけれど、側に居ればちさちゃんが傷ついてしまう……じゃあどうせぇっちゅうねん!!!って悲しくなりながらプレイしていました。そしてエンディングでより悲しくなった……

一番じゃなくても良いって割り切ることができれば心は平穏でいられるのか?とも思ったけど、令二がちさちゃんと伊佐治に対して何を思っているのか謎すぎて、彼女が本当に二番目というポジションにすら収まれるのかも分からねぇ……と私は思いました。

 

とりあえず、彼女が令二を追いかけ続けるのを辞めない限り、彼女が幸せになる未来が私には見えないことが、私にとって一番辛かったです。でも令二と一緒に居ることが彼女の幸せでもあるから、まじなんとも言えねえ……私にはナニモワカラナイヨ……

 

 

・令二について

 

全ての元凶。

こいつマジ殴って良いですかね? ほんとに。

 

私は文章の裏を読めない人間なので、伊佐治が言っていた通り、令二は「子供の頃にちさちゃんに傷つけられたから、再開した今復讐してやるぜ!、という理由で、ちさちゃんに残酷なことをした」という認識でいるので、それ前提で話します。

 

きっと私がちさちゃんに感情移入しているからだろうけど、だからってあんな惨いことすんなって私は思いました!!!()

だって、令二の目の前から急にちさちゃんが消えたのって、別にちさちゃんのせいじゃないじゃないですか。連絡先も何も伝えてなかった令二、お前が悪い。

彼女が昔、令二の心臓を刺して重症を負わせた犯人()とかだったら、復讐をして全然いいんですけど、退院という彼女の意志とは無関係なことで勝手に傷ついて、ソレを理由にあんな酷いことをする彼に私はかなり本気で怒りを感じました。

 

以下、私がゲームをプレイしながら思ったことを実況形式で公開しながら感想を述べます。

あまりに令二に対して怒りが湧きすぎているため、めちゃくちゃ言葉が汚いし大荒れです。読んでもいいけど怒らないでね!!

 

ちさ子「本当は伊佐治さんのことが好きなんでしょ? 私のことなんか、本当は好きじゃないんでしょ!」

令二「ちさちゃんにとって、本当とはなんだい?」

 

一番って意味だよ!!!!!!!!!

んなこともわからねえのか文系!!!!! 私はゴリゴリの理系だがわかるぞ!!!!!!!!!!!!!

 

 

令二「僕は君がいないと、あの尊い世界に触れられないんだ」

 

じゃあ一生触れんな!!!!!!!!!!!!

人を傷つけていることを分かっているのに、自分の理想を追求しようとするな!!!!!!!!!!!

 

他にもプレイ中のメモには「れい兄の考えてることがほんとにわからん」という文章が沢山ありました。

 

口が悪くて大変申し訳ございませんでした。

 

 

シナリオ中に令二の考えや思想のヒントが張り巡らされているのはなんとなく感じるんです。謎の民族料理屋の話とか、詩の話とか、死生観とか、色々。

でも私は先ほども言った通り、昔から深読みが出来ない性質なので(高校の頃、現代文の授業で読んだ村上春樹を超解釈した時から自分の読解力を諦めている)、令二さんには本当に悪いけど、この人の考えは私に全く伝わっていません。

彼を分かってない事を自覚した上で言いますが、令二さんは本当に残酷。

 

「自分を真っ直ぐに好きだと思ってくれる二人を、自分の側に置いて幸せになっている」ように私には見えるんです。

それ、自分は優しい正の感情に取り囲まれて幸せだけど、周りは地獄じゃん。勝手に好きという感情を令二に搾取され続けるのに、彼から逃げられないなんて。

とりあえず彼には、自分のことだけじゃなくて、側に置きたいと願う以上、伊佐治とちさちゃんに真剣に向き合って欲しい……と思いました。

 

いやほんとに令二許せん。

 

 

・伊佐治について

 

ワタシ、イサジ、スキ

 

え、普通にナイスガイ(死語)じゃない? コミュ力高いしハキハキしてるし。

彼氏にするならどう考えても伊佐治さんです。令二さんは本当にやめてくださいお願いします。

 

幼少期のシーンは生意気少年感が強くて、好感度はかなり低かったんですが、舞台が9年後に移った後は、令二の無双(全く褒めていない)がヤバすぎてそんなん全て吹き飛んだ。

伊佐治、過去のことは許すよ。(何故か上から目線)

 

あ、青年期の伊佐治の話に移る前に、幼少期伊佐治を読んでいたときの実況文章を公開します。

 

・ちさちゃんがれい兄と夜の逢瀬をしていたときに、伊佐治が急に現れます。

 

いや、なんで急に現れた!? まさかお前、ストーカーか!?!?

 

なお九年後もちさちゃんにストーカー呼ばわりされててちょっと笑ってしまった。

 

 

・手術前に令二が突然逃げ出したことで、伊佐治がちさちゃんに八つ当たりします。

 

「あんたのせいで、令二がおかしくなった!」

 

は? テメー10歳の女の子に何いってんだよ。

マジこいつ、この子に用もなくて、嫌味言うためだけに出てきたんだが??? は????

 

って怒ってる文章が出てきたんですが、伊佐治ごめんね。これくらいの八つ当たり、将来令二がやらかすことに比べたら全然可愛いもんだったよ。あなたは素直な人ね……

 

 

伊佐治は令二に比べたら、俗っぽい印象ですね。なんでこの二人は仲良いんだろ?ってちょっと思ったりもした。

 

個人的な解釈ですが、ちさちゃんは伊佐治に対し「こいつめっちゃ上から目線で優越感感じおって! おこ!」と思っていたようですが(もちろんこんな雑な言い方はしておりません)、私的には、伊佐治は割と常識人だったというか、そこまで嫌みな人ではなかったなと思いました。

というか、割と令二とちさちゃんの仲を応援してる……? 認めてる……?みたいな。自分が令二から身を引こうとしてる感を少し感じました。マグカップのシーンとかね。

あ、いやでも応援してるならあんな頻繁に令二の家には行かないか……? うーん……

 

ただ一個ね、気になったことがあったんですよ。

雨に打たれてずぶ濡れ状態で発熱しているちさちゃんが、伊佐治によって着替えさせられているシーンで、「令二以外の男の人に、裸を見られたのは初めて」と呟くんですよ。

それに対して、数分前までは、「令二は本当の意味で邪悪な人間ではない」と言っていた伊佐治が、「本当に邪悪な人間なのかもしれない」と言うんです。

 

その時、私はハッと思い出しました。

 

れい兄、バックでするときの方が正常位よりも上手かったよね、と……

 

あの、私の脳裏に過ぎった予想は、気のせいですよね……? 私の心が汚いからですよね……? ねえ……? ねえ……?(震え声)

 

 

 

以上が感想になります。

令二の気持ちに寄り添って、理解してあげられないのは、彼に対して非情に申し訳ないのですが、私は令二の行いは許せません。

ま、きっと自分のことを理解してくれない、好きになってもくれない私如きの感情なんて、毛ほども興味ないでしょうけどね彼は!!!!!!!!!

 

 

 

 

実況形式での感想がちょこっとメモに残っていたので、それを公開して今回の感想は終わります。

 

「あんな刺激物が隣に住んでいるなんて反則だ」

刺激物呼ばわりは草(好き)

 

 

「ずぞぞ。」←ちさちゃんがコーヒーを飲んでいる

これなんか可愛いな……

 

 

・セッシーンが終わったあと、それまで流れていたロマンチックなBGMが即終了した。

 

正直この演出怖かった。

え、なに? まさかヤッた直後にれい兄豹変しちゃう?? 豹変彼氏???? それともヤリ捨てか?????

って震えてたら、れい兄がちさちゃん放ってシャワー浴び始めたのね。

れい兄も先程までDTだったらしいし、ちさちゃんを気遣う余裕がないのはわかる。だからそれはまあいいの。

でもBGMでぶちっと切れた瞬間この行動だよ??? 怖くない????

シャワー浴びて戻ってきたあと豹変せん??? 大丈夫???? 怖い怖い怖い。

(と、初えちシーン直後にびびりまくっていた私であった)

 

 

・キスを拒否られるちさちゃん。

 

ちさちゃんすごいショックを受けます。

当たり前や!!!!!!!!

せっかく勇気を出して言ったのに、曖昧な微笑みでスルーして一人でシャワー行くとかなめとんのか貴様!!!!! そんなんじゃ一生シチュCDの男にはなれんぞ!!!!!(??????)

ちさちゃんがかわいそうすぎて、なでなでしたあと私の好きなクッキーを食べさせたい気分になりました。

 

・ショックで泣いているちさちゃんを見たれい兄は、突然机に向かって何かを夢中で書きはじめる。

 

なんなの!と怒る彼女に向かって彼は「きみは、最高の女の子だ」とか言い出したんですが。

殴ったろか貴様? 泣いてる女の子放っておいて貴様何してるんじゃ?

 

 

・笑ったシーン

 

伊佐治「牛乳パックの回収業者です(超絶爽やか)

このシーン正直吹き出した

 

 

・その他

 

キャラクターの印象づけ方が上手いなぁと思った。

いさじとれい兄の馴れ初め()を聞かされるシーンがあるんですけど、

そんなん聞いたら「貴様ちさちゃんを嫉妬させようと喧嘩売っとんのかァ!?」って気分になるかと思ってたら、案外そうでもない。

私もちさちゃんと同じように、妙に納得した気分になったというか、自然に伊佐治を受け入れたんですよね。驚きました。

 

ちさちゃんかわいそうすぎてつらい

私の中のおせっかいおばさんがれい兄を殴りに行くたくなる(おせっかいおばさんは血の気が多い)